「特に腰痛は隠れた原因ポイントがたくさんある」 |
某証券会社の依頼で健康セミナーの講演を行った時の質疑応答より |
Q(30代 女性) |
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原因が特に無いと言われた腰痛について質問します。 |
私は、10年以上前から慢性的な腰痛に悩んでいます。治療を受けましたが、治療を受けた直後は良いのですが、すぐにぶり返します。 病院でレントゲンやMRIなどの検査を受けましたがこれといった原因は特にないと言われました。私のような原因不明の腰痛は多いといわれていますが、先生のお考えを聞かせていただければと思います。 |
A答え |
いつになったら治るかわからない慢性腰痛は肉体的にも、精神的にもつらく感じている方も多くいらっしゃると思います。 私も過去、この様な慢性腰痛の方を数多く治療してまいりました。たくさんの慢性腰痛の方々を治療する中で分かってきたことは、「腰痛にはかくれた原因ポイントがたくさんある」ということです。例えば、女性ですと若いころは大抵、ハイヒールをはきます。ハイヒールはとても不安定な履物です。後ろから見るとかかとがぐらついて怖い感じがします。そして時々バランスを崩して足首をくじきそうになる時があります。完全に捻挫してしまう人もいれば、そこまでいかず少し痛いぐらいで2〜3日シップを貼っておけば治る。あるいはそこまでしなくても放っておけば治るというような人もいます。 そして、このことが後々の慢性腰痛の原因になることが多いということを知っている方はほとんどいません。 痛いのは腰だから、腰のみを治療する。しかし、この場合はこれだけでは治らないのです。足首のケアもしないと治らないのです。 なぜ、腰が痛いのに足首が原因となっているのか?それは腰と足首は筋膜でつながっているからです。 筋膜とは、人の体をすっぽりと覆っている一枚の膜状のもので、人の形のゴム風船のようなものが人をすっぽりと覆っているようなイメージをしていただけると分かりやすいと思います。 ですから、足首をひねり足首周りの筋膜が硬くなったそのひずみが腰の筋膜の緊張を誘発し、腰痛となります。 そして、腰ばかり治療しているので治らないというのは、よくあることなのです。腰は特に体の中心なのでいろいろな場所の影響を受けます。手、首、胸部、腹部、これらのどこかの筋膜の緊張の影響を受けて、腰痛を発症します。 原因不明の腰痛(腰に原因のない腰痛)が多いということは手、足、首、胸部、腹部由来の腰痛がいかに多いかということだと私は考え、治療にあたっています。 |